デンマーク映画「きっと、いい日が待っている」

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孤児院に入った兄弟の過酷な生活を描いた映画です。
私自身は未見ですが、ツイッターの観賞後の呟きを見るとタイトルから想像するイメージとは裏腹に、「重い」「エグい」などの言葉が見られます。そういう感想を書く人は、多分、デンマーク映画を初めて見た人ではないかと想像しています。

デンマーク映画を初めて見る人は「デンマーク映画を観賞した」のではなく「デンマーク映画を体験した」という感じになっていて、観賞直後はたぶん「言葉もでない」ほど打ちのめされ大げさにいうなら、「人生観を揺さぶられている」はずです。

デンマーク映画には「サクセススト-リー」や「貧困から脱して幸せになる」というような作品があまりありません。運不運の振幅が小さく、困難や悲劇に見舞われてもセーフィティーネットがしっかりしている福祉社会を築いていますから、成功譚やありきたりな悲劇は北欧人にとってリアリティがないのでしょう。

たとえば「スカイプ」を世に出したのはデンマーク人とスウェーデン人の若者で彼等は成功と富を得ましたが、なにしろ「ヤンテの戒め」が骨の随までしみこんだ社会ですから、デンマーク映画界がこの若者2人の成功譚を映画や小説にする気などさらさらないと思います。

反対に人間のダークサイドを徹底的に掘り下げる映画は作られます。「人生は厳しい」という認識が北欧人にはあるそうです。スウェーデン映画もノルウェー映画もフィンランド映画も「人生の厳しさ」を掘り下げる映画が多いのですが、それをなんとなくユーモラスな展開で描きます。
しかしデンマーク映画だけは、これでもかというほど、根源的な人間の欲深さ、狡さ、残酷さを時には子どもまで使って描きたがります。
デンマーク人監督のラッセ・スパング・オルセン監督は、人生の厳しさをナンセンスギャグで描くことが多い人ですが、彼とて「殺人をギャグにする」エグさがあります。

もしあなたが初めてデンマーク映画をみるのならば「バベットの晩餐会」をお勧めします。

長い文章になりすみません。